「中3男子4人が爆弾計画 兵庫、理科室から塩酸盗んだ疑い」
という記事を新聞で見たのは2011年12月のことであった。
兵庫県西宮市の中学3年生の男子生徒4人が通っている中学校の理科室から9~11月にかけて塩酸や過酸化水素水など薬品約10点を盗み、爆弾をつくろうとしていたという。「作り方はインターネットで調べた」というが、実際にこれらの薬品だけでは爆弾を作ることは不可能で、製造した形跡は確認できなかったという。
まるで『太陽を盗んだ男』か筋肉少女帯の『サボテンとバントライン』を彷彿とさせる話ではないか、と驚いたが、そんな文科系オタクの暴走めいた行動とは裏腹に、彼らはとんでもないワルでもあった。
そもそも彼らが警察のお世話になったのは、別の傷害事件で逮捕されたことがきっかけだった。
産経新聞の連載「衝撃事件の核心」によると2010年8月ごろから、兵庫県西宮市内では中学生らが自転車に乗った複数人からすれ違いざま、通りすがりにプロレス技のラリアットで殴られる、といった暴力事件が多発。西宮署は張り込み操作を行うも犯人の割り出しに至らなかった、
しかし、10月に芦屋市内で73歳の女性が現金の入った手提げかばんをひったくられるという強盗事件が起き、15歳の少年が容疑者として逮捕。応援として西宮署から芦屋署に来ていた捜査員が少年のもつ赤いスポーツバッグが西宮での事件の目撃情報にあった「赤いスポーツバッグ」と似ていることからその場で問いただすと、少年は事件の関与を認め、仲間の少年ら3人も芋づる式に逮捕された。
4人は取り調べの中で8月にスーパー、家電量販店でゴミ箱内でドライアイス入りのペットボトルが爆発する事件についても自分たちがやったと認め、さらに「ペットボトルより威力のある爆弾を作りたくて」理科室から塩酸などの薬品を盗んだことを漏らしたのであった。
4人は中学の野球部員で、きわめて「普通」の「まじめ」な生徒たちだったという。ひったくりで逮捕された主犯格の少年が他の3人に犯行を持ち掛け、ペットボトル爆弾などの作り方を調べていたとのこと。
3年で部活動は引退の時期、夏休みに暇を持て余して悪さの行動に出るというのは思春期にありがちなことで、僕も経験がある。にしても爆弾作ったりはしなかったけど…
この主犯格の少年は2010年5月に同級生に爆弾の作り方を書いたメモを見せ、保護者から学校に連絡が入り注意を受けたことも。どんだけ爆弾つくりかったんだよ!
回転ずしのしょうゆをペロペロしたり、箸を舐めて元に戻すよりは弾けてる行動かもしれませんけど。